課題:廃棄物の排出を抑制するために必要なインフラと知識が不足しています。
責任を持って廃棄、資源化するには?
適切な処理
生産者や消費者は、商品や食品の廃棄に関しての知識や責任が不足しています。世界の多くの地域では、ゴミが廃棄されるまでの経路が不透明 で、正しく把握することが困難です。廃棄物は見えるものの、中身が分 からず、ときには非常に有毒な物質も存在します。適切なインフラやノウハウがなければ、そのような廃棄はなかなか避けることができませ ん。反対に、過度に効率的な処理システムがあることによって、モノを 捨てるという行為が手軽で、誰も気にしないものになることもあります。(結局、それは無駄使いが続く可能性にもつながりかねません)
世界の廃棄物はきちんと記録されていません。国連商品貿易統計データベースは、合法的な取引のみを記録しています。違法で非公式なリサイクル活動、とりわけ開発途上国における電子機器製品の非公式な廃棄処理は、有害物質の排出や廃酸投棄の原因となっています。
低所得の国々では、廃棄物の90%以上が規制されていない場所に投棄されたり、公然と焼却されています。適切な処理や管理が行われなければ、環境と健康への深刻な問題を引き起こしかねません。短期的には開発途上国での改善を、長期的には先進国での廃棄物削減を考えるべきでしょう。
廃棄物の防止に重要な役割を果たしているにもかかわらず、権利を剥奪されている人たちもいます。例えば、ウェイスト・ピッカー(生活のためにゴミを集める人たち)のような非公式な労働者たちは必要不可欠な存在ですが、実際には政策の枠組みやプロトコルから取り残されています。そのような労働は何年にもわたる小さなイノベーションによって進化した、ある意味効率的なプロセスを採用しています。彼らにとってリ サイクルは利益を得る唯一の収入源ですが、生活をするにはギリギリの水準です。
GET INSPIRED
PIMP MY CARROÇA
クリエイティブムーブメント | ブラジル
Pimp My Carroçaはアート、意識の向上、テクノロジーなどを通じ、ウェイストピッカーズ(生活のためにゴミを集める人たち)を可視化。彼らの収入を増やすムーブメントで す。ブラジルには80万人以上のウェイストピッカーズがいて、リサイクルシステムには欠かせない存在です。しかし彼らは常に社会から見落とされているのです。
Pimp my carroçaのミッションは市民社会・政府・民間の力によって彼らの認知度を高め、フェアな報酬をもたらすことです。
TOO GOOD TO GO
サービスデザイン | デンマーク
Too Good To Goは、食品廃棄に取り組むアプリ。世界の食品は30%以上が廃棄されています。このアプリを使えばレストランなどの飲食店で、販売されない、もしくは捨てられてしまう食品をもらうことができます。食品は「お楽しみ袋」に入れられ、良心的な価格で提供されます。To Good To Goは2015年にコペンハーゲンで設立。登録ユーザーは1,800万人で、72,000トンの温室効果ガス排出量に相当する、推定 2900万食分を無駄にせずに済んだことになります。
ECOLANA
システムデザイン | メキシコ
Ecolanaはデジタル・プラットフォーム兼コンサルティング会社。消費者とブランド、非正規ルートでの回収やリサイクルセンターを 結びつけ、廃棄物の削減を推進します。この究極のアプリは、メキシコシティでリサイクルを実践するためのデジタルガイドといえます。Ecolanaは、WDCDクリーン・エネル ギー・チャレンジ2018-2019で優勝したプロジェクトでもあります。
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